ドライアイス


昭和を代表する論客のひとり、劇作家の福田恆存さんは「ドライアイス」に例えられたことがある。
「冷たいが、触れると火傷をする」と

冷たく醒めた論理のうちに烈火の情熱を蔵した精神を述べたものだろう。
烈火がなけらば他国に侮られて国益を損なう。烈火のみでは近隣の迷惑者にすぎない。外国の要諦にも通じよう

日本海に浮かぶ日本固有の領土、竹島を巡って日韓両国の間に緊張が高い。
海上保安庁が予定する海洋調査に対し、島の領有権を主張する韓国政府が猛反発し、
「断固たる対応をとる」と調査の中止を求めている

「断固たる対応」とはなんだろう。測量船の拿捕を目指すなら、公海上の公船拿捕を禁じた国連海洋条約に違反する。
烈火に頭がのぼせやすいお国柄とはいえ、国際法に触れて冷たい火傷を負う愚はよもや犯すまい

韓国は竹島を実効支配している。国際法破りはそれが「不法占拠」で告白することに等しい。
激情に駆られて告白するか。和解の道を探り、こぶしはみだりに振り上げるものではないことを学ぶか。
韓国政府はいずれかを選ばねばならない。

差し当たり、緊張の高波に舵を取る日本政府丸が携帯すべき品々は分かっている。
国際法を右手に、対話を重んじる自制心を左手に、胸には領土を守る心を。ドライアイスである。

「読売新聞 4月20日 編集手帳より」

ちょい遅いけど、いい記事なので。ってみんな知ってるか。