カテゴリー別アーカイブ: 今月読んだマンガ

今月読んだマンガ2004/11


littleforest01-thumb.jpg リトル・フォレスト(1) 都会から故郷の農村に戻ってきた主人公は、言葉だけではなく本質的なスローフード・スローライフを実践している。でもそれはそこに住む者にとってはずっと続いてきた当たり前のことで、そんな当たり前の毎日が淡々と綴られる。だからこのマンガの内容はと言えば、毎日食べ物を育てて、収穫して、調理して、食べる、だけ。そして主人公は、そんな本当の意味での「生きるために生活する」毎日を送りながら、今まで気付かなかった自分を見つめ直してゆく。めちゃめちゃいいマンガだなーこれは。
4063460304.jpg ピアノの森-The perfect world of Kai mixiで知り合った人にすすめられて読んでみたら、すんごい面白かった。曽田正人が大好きな俺にとっては大好物の天才マンガ。2002年に休載してからほったらかしなのもと似てる。といっても、どうやらこの一色まことは軽いダメ人間で、作品に対するモチベーションが下がったらすぐ休止するクセがあるみたいだけど。しかし連載してたアッパーズがなくなって、一体これからこのマンガはどうなるんだろうか…。
4063347850.jpg capeta-カペタ- 天才が主人公のマンガを書かせたら日本一の曽田正人作品。現在F1に乗れるドライバーは世界でたった20人。でもその20人がF3やカートのドライバーよりも飛び抜けて才能があるかというとそうじゃないらしい。F3にもカートにも天才はたくさんいて、じゃあF1ドライバーはなんで彼らだけがF1に乗れるのか…。そんな感じのマンガです。超面白い。作者の中ではカペタはザウバーからF1に乗り、フェラーリに移籍してシューマッハを倒すとこまで話ができてるそう。は、早く読みてぇー!!
4063210502.jpg ヨコハマ買い出し紀行 かる〜くヲタのにおいがするマンガだった。なんたって主人公アンドロイドだしな。でもうちの弟タカシさんの名言「ヲタはマンガやアニメやゲームの言わばセミプロだから、あいつらが評価するものには何らかの理由があるはずだ」という言葉通り、なにげに面白かったです。主人公と人との関わりがすごくゆったりとした時間の流れとともに描いてあるんだけど、その時間の流れの中でまわりの人間は少しずつ変わってゆくにもかかわらず、永遠に不変(ロボだから)であることの寂しさみたいなのがテーマなんかなと。ほのぼの系です。
4088564162.jpg 愛してるぜベイベ★★ りぼん連載マンガではこどものおもちゃ以来の成人男性でも読めるマンガ。これもこどちゃもそうだけど、もしも全く同じテーマのマンガがスピリッツとかヤンマガに載っててもきっと面白くないと思う。りぼんに載ってるからこそ価値があるというか、むしろこんなん小学生女子が読んでほんとに面白いと感じるんだろうか。逆にそっちのが不思議だ。
4840224668.jpg よつばと! ヲタが大好きなよつばと!を読んでみました。が、これ全然ヲタ以外でも楽しめるよ。普通のギャグマンガだし、それなりにセンスもいいし。笑いの間がちょっとヲタっぽいけど、そのへんもわざとやってる感じ。ほんと普通に面白い。ジャンボのキャラがたまりません。

今月読んだマンガ2004/05


nodame08-thumb.jpg のだめカンタービレ(8) アストロノーツマンガといえば「プラネテス」という世間の風潮に逆らって「ふたつのスピカ」を推してる俺ですが、今度は音楽マンガ編で。世間の奴らがいくら「BECK」だっつっても、俺は断然「のだめカンタービレ」ですよ。才能がありながらも過去のトラウマから飛行機に乗れなくて世界に羽ばたけない男が無茶苦茶だけど天才肌のピアニスト女&仲間達と音大を舞台に繰り広げるドタバタコメディ…という、ものすごく簡単に説明できてしまう単純な話です。もちろんその中にも色々あるわけですけども。なんせこのマンガ読むとほぼ間違いなくクラシック聴きたくなるからね。今までクラシックなんか本屋と喫茶店行った時しか耳にしなかったこの俺が、今じゃ仕事中にショパンのノクターン集とか聴いてますから。そういうきっかけにもなるマンガ。のだめの才能の描き方とかも上手いです。やっぱ誰でもコピーとかする時って最初は自分のやりたいように弾いちゃったりするじゃないですか。雰囲気だけコピーみたいな感じで。だけどそれって結局は原曲より良くなってるって事はほとんどなくて、でも原曲通りだと難しいからこのままでいいかーなんて。でもクラシックっていわば完コピの音楽ですから、そういうのって許されないわけです。のだめも作中で「勝手に音を増やすな!」とか怒られてますけど、それでも人の心を震わせる演奏ができるって事は、きっとジミヘンみたいな感じなんだろなーとか、クラシックピアノの天才とか言われても一般人には伝わりづらいところを、少しでも楽器やった事ある人なら分かるような表現に置き換えてたり。しかも一般人でも難しいって知ってるリストの曲を弾かせた時にそういう場面を持ってくるあたりとか、上手いなーって感じです。というわけで、あえて俺はのだめ推しで。まあ別にプラネテスもBECKもコミックス出る度に買ってるんですけどね。のだめのSオケTシャツ買ったけど、BECKのTシャツも買ったし。ぎゃぼー!!
futatsunospica06-thumb.jpg ふたつのスピカ(6) 最近すっかりマンガづいてて、ついにアマゾンのベストセラー欄とかチェックするようになってしまった。今回はそんなアマゾンで新刊が好評だった柳沼行「ふたつのスピカ」読んでみました。絵とかちょっとヲタのかほりが漂ってたんだけど、普通にイイ話です。俺が高校生ぐらいの頃に読んでたら「なんだこれ、けっ!」とか言っちゃってそうだけど、ある程度大人になっていい具合に汚れた心には、素直に「夢って・・・素敵やん」と思わせてくれました。何がいいって主人公はじめ登場人物たちの宇宙への夢、希望、目標、そしてなによりまっすぐな気持ち、これすごい素敵。それぞれが自分なりの宇宙への想いを持ってるんだけど、素敵エピソード満載です。「これがあたしの夢だから」なんてセリフ、今どき少年ジャンプでもなかなか見かけませんよ。でも全然陳腐じゃない。だって宇宙目指してるんだもん。5巻ラストの「宇宙へ———宇宙へ———」っていうかなりベタなキャプションですらゾクっときた。あと仲間を信じる心みたいなの、これも素敵。汚れたオッサンには眩しすぎて、「仲間って・・・素敵やん」と呟いてしまう。クサイっちゃあ相当クサイんだけど、クサすぎて素敵みたいな、そこまで昇華させてるから意外と素直に読めます。映画だとノッティングヒルの恋人みたいな、「ありえない!ありえないけど・・・なんだかホロリ」的マンガ。今宇宙マンガといえばプラネテス(と言っても、あれは舞台が宇宙であるだけの人間ドラマか)だけど、こっちの宇宙マンガもなかなかですよ。ひとつひとつのエピソードをすごく丁寧に描いてる。メディアファクトリーなんかから出版されてるからなかなかメジャーになれないっぽいんだけど、マンガ喫茶で見つけたら読んでみても損はないのでは?うーん、やっぱオタクっぽいからってバカにしちゃダメだな。最終兵器彼女もけっこう面白かったし。オタクってある意味マンガのセミプロ評論家だもんな。

今月読んだマンガ2004/04


maison_ikkoku-thumb.jpg めぞん一刻 昭和史に残る名作を今さら読んでみました。アニメは子供の頃にけっこう見てたんだけど、やっぱり当時はちゃんと理解できてなかったみたいで、なんというか、良い意味で新しい発見でした。まずストーリーのおおまかな流れは至ってシンプルで、最初の展開からラストまでほとんど想像できるし、実際その通りに進んでいく。それでもこれだけシンプルな話を、笑いを交えながら、時にシリアスに描ききるあたり、当時の高橋留美子の天才ぶりがうかがえる。はっきり言って今の高橋留美子のマンガなんて見る気もしないけど、このめぞん一刻に関してだけは完全に別物というか、マンガ史の中でも別格の存在だと思った。年上で未亡人の管理人さんとの恋愛という主人公に感情移入しにくいテーマだけど、物語のほとんど全てが一刻館というアパートを中心に展開してゆくことによって、読者があたかも同じアパートの住人になったような感覚になり、主人公への感情移入じゃなく、仲の良い隣人の恋愛を見守り応援しているような気分になるあたり、すごく上手い。時間軸の使い方も絶妙で、初期の毎回ドタバタするオムニバス的展開の頃も、少しずつそこに五代君の人間的成長と、管理人さんとの距離が縮まってゆく様を重ねてあって、読んでるうちは気付かないけど、その展開がラストに近付くにつれてなんでもないセリフに重みを持たせている。それと、このマンガは高橋留美子作品の中で唯一セックスシーン(といっても至ってソフトなもの)が出てくるんだけど、それも読者サービス的なものでは一切なく、むしろこの部分を曖昧にしてしまったら成り立たないという絶対的な必然性を持って描かれてる(実際、倫理的な問題からアニメではこの部分がカットされているが、そのせいでラストの展開がボンヤリと曖昧なものになってしまっている)。そういった意味では少年誌じゃなくてスピリッツに連載していたというのも、このマンガが成功したひとつの要因と言えるかもしれない。初期のコメディータッチな部分からは想像もできないような、中盤の五代君の葛藤や、管理人さんが惣一郎さんという影に縛られ、時にその影に逃げ込むような一種女性作家ならではの描き方、そしてラストの、シリアスだけど誰もが納得できる大団円的な展開まで、最初と最後では全く別のマンガ(実際、作者はこんな展開になると思ってなかったらしい)みたいなのに、そこをしっかりうまく繋いで、ラスト近くではセリフやカットの1つ1つをじっくり眺め考えてしまうようなマンガでした。コミックスで15巻、文庫版で10巻という長さも丁度よくて、これ以上長いと引き延ばした感じになるし、短くても五代君と管理人さんの関係が不自然になると思う。とにかく全てが絶妙なバランスで成り立っている奇跡のような作品です。もしもこの作品に偏見を持って読んでいない人がいたなら、ぜひオススメしたい。ちなみに俺はレンタルコミックで借りて読んだんですが、返した直後に文庫版を再購入しました。心が荒んだ時に読み返したいと思ってます。
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